第27回大塚電子 散乱研究会資料 (2015.11.20)

質問などございましたら、お気軽に柴山研の問い合わせフォームよりご意見下さい。


A.動的光散乱による分布解析

 資料ダウンロード


B.解析実習

手順1.ファイルをダウンロード(Windows)ダウンロード(Mac)
解凍すると、
 1.相関関数(粒径小)、
 2.相関関数(粒径大)、
 3.相関関数(粒径小+大)、
 4.CONTIN(粒径小+大)
の四種類のファイルがある。

手順2.相関関数(粒径小)のファイルをグラフ解析ソフト(Excel, igor等)で開く
Excelユーザーが多いと思われるので、以下はMicrosoft Excelを用いた解析手順に従って進める。

手順3.二行のデータ列(左:緩和時間[s]、右:強度-強度相関関数[g(2)(τ)-1])をプロットする
・キュムラント解析を行うために、縦軸(g(2)(τ)-1)の自然対数をとる。(logではなくln)(第27回散乱研究会テキスト参照)
・プロットは、linearでよい。

手順4.τ=0から初期緩和まで直線近似により傾きを求める
Excelを用いた場合、
・初期緩和までのデータを切り取り必要なデータ点のみをプロットする。
・グラフ上でデータ点をプロットし、右クリックから近似曲線を選び、線形近似を選ぶ。(グラフに数式を表示するにチェックを入れて下さい。)
・得られた直線の傾きが「2Γ(ガンマ)[s]」である。(g(2)(τ)-1でプロットしていることに注意!!

手順5.近似曲線より得られたΓ[s]を用いて、拡散係数Dを求める
・まずは、散乱ベクトルqを計算する。屈折率n=1.332、波長λ=632.8[nm]、散乱角θ=90°である。
 
・拡散係数D=Γ/q2を計算する。単位に注意!

手順6.流体力学的半径を算出する
・ここで、k=ボルツマン定数[J/K]、温度T=298[K]、溶媒粘度η=0.89[cP=mPa・s]である。

手順7.2.相関関数(粒径大)、3.相関関数(粒径小+大)についても同様の解析を行う




ここまでで、粒径小、粒径大、粒径小+粒径大の流体力学敵半径Rhは求められましたか?
カタログ値で、粒径小は直径50nm、粒径大は直径596nmです。



しかし、3.粒径小と粒径大の混合液ではキュムラント解析では、それぞれのサイズが求められなかったかと思います。
強度-強度相関関数がきれいに分離できていない場合は、サイズの大きな散乱体の結果が得られます。



そこで、ファイル4.CONTINの結果をプロットしてみて下さい。

手順8.CONTIN法により多成分系の解析を行う
・横軸に、左データ:Γ-1[s]、縦軸に右データ:分布関数(G(Γ-1))をプロットする。
・Γ-1のピーク値を求める。
・Γ-1peakよりRhを計算する。


CONTIN法を用いるときれいに二成分が抽出でき、粒径を見積もることができます。




C.解析結果の例(ダウンロードしてご覧下さい)