中性子セミナー

日時：2012年6月15日 (金)　13時〜17時20分

場所：物性研究所本館　6階　A612号室

中性子科学研究施設には４つの研究室がありますが、そこで行われている研究は固体物理、化学、ソフトマター と非常に幅が広く、別の研究室で行われている研究内容を知る機会があまりありません。そこで今回、新しい学生を迎えたこの時期に、若手スタッフによる十分に時間をとった発表会を開催することにしました。中性子科学研究施設のメンバーだけでなく、他の部門・施設の皆様にも参加して頂き、良い交流の機会がもてればと考えています。

プログラム

13:00-14:00　藤井健太（柴山研）

イオン液体系高分子溶液およびイオンゲルの構造・物性と溶液化学

イオン液体は強いクーロン相互作用が働くにも係わらず、分子性溶媒による溶媒和なしでイオン解離するため、従来溶媒では見られない反応場を形成する。今回は、イオン液体中における高分子溶液・イオンゲルの構造、ゲル化反応の溶液化学について、最近一年間の成果を講演する。

14:00-15:00　古府麻衣子（山室研）

イオン液体と単分子磁石のダイナミクス

中性子散乱は軽原子やスピンを観測するのに適したプローブであり、我々はそれらの緩和現象に関する研究を行っている。今回の講演では、イオン液体における階層的ダイナミクスおよび単一分子磁石におけるスピンダイナミクスの研究について紹介する。

15:00-15:20　休憩

15:20-16:20　南部雄亮（旧佐藤研、吉沢研）

三軸分光器CTAX(ORNL)の現状と一次元構造をもつ鉄系化合物の磁性

ORNLに設置された冷中性子三軸分光器CTAXの現状と集光型アナライザの開発の状況について報告する。そののち、最近共同研究者により開発されたスピン梯子系の磁性について紹介する。スピン梯子系物性と磁気構造を超伝導体母物質と絡めて議論し、低次元性に起因する性質についても議論したい。

16:20-17:20　左右田稔（益田研）

磁性と誘電性の新規関係

マルチフェロイックスにおけるエレクトロマグノンの中性子散乱研究やマルチフェロイックスとは異なる新規な電気磁気効果について報告する。

世話人：柴山充弘（ext.63418）　sibayama@issp.u-tokyo.ac.jp