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第6回 「私が柴山研を選んだワケ」


平成21年4月に新たにメンバーとなった博士課程1年生の和泉さん、修士課程1年生の野本君にも「私が柴山研を選んだワケ」というテーマで書いてもらいました。大学院進学を考えている方にはとくに参考にして頂きたいと思います。

和泉 篤士

 私は熱を加えると硬くなる熱硬化性樹脂の研究を行っていました。自動車や半導体など、樹脂が使用される分野によって材料に要求される物性(電気特性、耐熱性、耐湿性、機械強度など)は異なります。そこで、分子設計・合成・評価を繰り返しながら、要求特性を満たす材料の分子構造を最適化するといった研究が中心でした。
 この熱硬化性樹脂の研究を行いながら、ずっと抱いていた疑問があります。それは「熱硬化性樹脂は硬化後にどのような構造をとっているのだろうか?」というものです。一般的に、熱硬化性樹脂は硬化によって不溶化するため、硬化後の構造解析が困難となり、詳細な構造については未だ推定の域を脱し得ないというのが現状です。
 そしてようやく本題に入りますが、柴山研究室の光・中性子散乱を用いたゲルの構造解析技術を学び、散乱解析の立場から熱硬化性樹脂の構造を解析することで、硬化物の推定構造をより確からしいものにしたいと考え、柴山先生のもとにやってまいりました。
 長年にわたり、数学とは無縁な研究をしていた合成系出身の私にとっては、数式満載の先生の論文を読むと、
今にも失神してしまいそうですが、少しずつでも理解していけるよう頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致します。

野本 祐作

 私は散乱法による構造解析を修得するために柴山研究室を選びました。なかでも中性子散乱は日本に装置が数台しかなく、非常に専門的な技術が修得できるのではないかと思ったことが柴山研究室を選んだ一番の要因です。
また、柴山研究室では主にソフトマターの研究を行っていますが、有機材料化学科出身の私には非常に興味のある分野であり、散乱も学べて、興味のある材料も扱えて私には一石二鳥な研究室であると感じました。

上述したように、柴山研究室ではソフトマテリアルを扱っており、私自身もおそらくその類いの物質を扱うことになると思いますが、くだらない線引きや固定概念にとらわれず、さまざまな物質にアンテナを張っていこうと思います。またそうする事で、一石三鳥にも四鳥にもなる研究室だと確信しています!